【中尾蔵書よりおすすめ本のおしらせ📚】 ふらっと・ほすぴす希望のひかり内
中尾蔵書から、おすすめの本をご紹介いたします!
「人生最後の食事」 デルテ・シッパー 著
川岸 史 訳
ドイツのハンブルクにあるホスピス「ロイヒトフォイヤー」で働く料理長とその入居者に
密着取材して書きあげたドキュメント本です。
ロイヒトフォイヤーのロビーには、
「人の寿命を延ばすことはできないが、一日を豊かに生きる手伝いは出来る」
というモットーが掲げてあります。
高級店で修業してきたシェフ、ループレヒト・シュミットは、食事に関する願いなら何でも叶えます。
食べる人にはおいしい料理とともに幸せな日々の思い出を贈り
願いを叶えるために、何度も作り直し、考え直し、毎食のメニューやおやつに至るまで決して手を抜きません。
食事がどれだけ大きな意味を持つか、その価値を彼は良く知っているからです。
ストーリー仕立てで、章が進む毎に入居者の様子や状態が静かに変わっていきます。
その中でもループレヒトは変わらず、悩み考え、その人の本当に望む味を作り続けます。
登場人物一人ひとりの性格、生きてきた道筋、その中でループレヒトに何を望むのか
その人の姿が浮かんでくるほどの緻密な密着取材の中で、
人生でいちばん価値のある事は何だろうと考えさせてくれます。
中尾蔵書にて貸し出し中です!