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「人生最後の食事」

  • 執筆者の写真: 中尾蔵書
    中尾蔵書
  • 2019年3月27日
  • 読了時間: 2分

【中尾蔵書よりおすすめ本のおしらせ📚】 ふらっと・ほすぴす希望のひかり内

中尾蔵書から、おすすめの本をご紹介いたします!


「人生最後の食事」 デルテ・シッパー 著

川岸 史 訳


ドイツのハンブルクにあるホスピス「ロイヒトフォイヤー」で働く料理長とその入居者に

密着取材して書きあげたドキュメント本です。


ロイヒトフォイヤーのロビーには、

「人の寿命を延ばすことはできないが、一日を豊かに生きる手伝いは出来る」

というモットーが掲げてあります。

高級店で修業してきたシェフ、ループレヒト・シュミットは、食事に関する願いなら何でも叶えます。

食べる人にはおいしい料理とともに幸せな日々の思い出を贈り

願いを叶えるために、何度も作り直し、考え直し、毎食のメニューやおやつに至るまで決して手を抜きません。

食事がどれだけ大きな意味を持つか、その価値を彼は良く知っているからです。


ストーリー仕立てで、章が進む毎に入居者の様子や状態が静かに変わっていきます。

その中でもループレヒトは変わらず、悩み考え、その人の本当に望む味を作り続けます。

登場人物一人ひとりの性格、生きてきた道筋、その中でループレヒトに何を望むのか

その人の姿が浮かんでくるほどの緻密な密着取材の中で、

人生でいちばん価値のある事は何だろうと考えさせてくれます。


中尾蔵書にて貸し出し中です!


 
 
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