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執筆者の写真NPO法人らいぶながさき

NPO×地域協働のまちづくりセミナーが開催されました

更新日:2022年11月22日



令和4年3月3日(木) NPO×地域 協働のまちづくりセミナーが開催されました!

このセミナーはNPO法人を運営されている方、今後NPO法人設立を検討される方を対象に、長崎県県民生活環境課が主催するものです。

NPO法人らいぶながさきは、地域と協働して事業を行っているNPO団体として発表をおこないました。


NPO×地域 協働のまちづくりとは

地域をもっと豊かに、暮らしやすいまちにするために、地域と連携してまちづくりを行います。

NPO法人らいぶながさきは、時津町で地域の高齢者や子供の居場所として「地域カフェとき」を開設してきました。

現在、ひとり親家庭に米や野菜などの食料品を提供するとともに、地域の方がふらっと立ち寄って医療や福祉の相談を行う活動に、地域や行政にも協力していただきながら取り組んでいます。

今回は、法人のこれまでの活動・ひとり親支援食料品提供会について紹介し、インタビュー形式で活動について詳しくフォーカスしていただきました。


 

団体紹介発表

 


セミナーは完全オンライン開催となり県庁の会議室から配信して発表を行いました。

理事 下村千枝子先生が発表者として

  1. NPO法人らいぶながさきの理念

  2. これまでのNPOの活動

  3. 地域カフェの活動

  4. 食料品提供会をはじめたきっかけ

  5. 提供会の様子・開催内容

  6. 地域・行政とどのような協働を行っているか

  7. ご協力のお願い

をお話ししました。配布資料は下記よりご覧ください

※一部写真を消しています。無断掲載不可



(スライド一部抜粋)


食料品提供会は2020年5月よりスタートし、もうすぐ丸2年が経ちます。

はじめは16世帯の支援から始まりましたが、現在55世帯(2021年1月時点)の支援を行っております。

お子さんの数は100名を超えています。

ご登録される方の多くは行政からの紹介や町の広報誌をご覧いただいてのお申し込みです。

行政と連携して、児童扶養手当の手続きに来られたご家庭に案内していただいたり、コロナ等の理由で生活が困難になってしまった子育て家庭を紹介していただいております。


支援を必要とするご家庭を探し、適切な支援を届けるためには地域・行政との連携が必要です。

地域をもっと豊かに、暮らしやすいまちにするために、医療に関する事業を行うNPO法人として、私たちが提供できる強みを活かして今後も連携しながら活動を続けていきたいと発表しました。


 

インタビュー

 

今村晃章 様​(NPO法人とねりこ代表理事)にコーディネーターとして、当法人の活動についてインタビュー形式で深く掘り下げていただきました。

インタビュー内容をご紹介いたします。


今村晃章 様​(以下、今村様):法人が掲げるミッションは、終末期医療や緩和ケアの向上であると思いますが、本日、ご紹介いただきましたひとり親家庭への支援との関連をどのようにお考えでしょうか。


下村千枝子 先生(以下、下村):直接の関わりはないように見えますが、私は小児科出身で長年、小児在宅医療に取り組んできました。在宅医療では、病気や障害を持つお子さんや、医療的ケア児を在宅で過ごせるよう生活環境や家族を含めた支援を行います。

そこで感じてきたことは、病気や障害を持つお子さんのご家庭の経済的負担です。

医療の発達により病気や障害を持ちながら、20歳を超えて40~50歳、それ以上の年齢でもケアを受けながら生活されている方が増えました。

現実、ご家庭の経済的負担は切っても切り離せない問題です。

小児在宅医療に携わりながら、いつか支援をしたいと考えていました。

仕事が一段落した際に支援について考え始めたところ、ひとり親家庭が大変厳しい状況で、努力を重ねながら生活していることを知りました。

医療的ケア児のご家庭数より、はるかに多くのご家庭が経済的な生活不安を抱えていることに驚き、支援を行うことを決めました。

根本的な思いは、小児在宅で感じてきた延長線上にあると考えています

 

今村様:ひとり親支援の現状はどうでしょうか


下 村:提供会を始めた当初はやはり登録世帯との距離がありました。こちらで提供品を貰っていることが周囲に分かってしまわないかと心配される保護者の方もいらっしゃいました。これまで提供品をお渡しする際に、少しずつ声かけや世間話を行ってきました。

最近は距離が縮まってきたと感じています。提供品を貰ってすぐ帰るのではなく、話したり笑顔で挨拶をしてくださる保護者の方が増えました。

私たちは提供品を渡すだけでなく、困った時の相談先となることを目標としています。

私が携わってきた小児科や障害の相談はもちろんのこと、臨床心理士、弁護士などの多職種と繋がりがあるところが私たちの強みです。

困った時にまず相談してもらえるような関係性を作ることを心がけている現状です。


 

今村様:ボランティアスタッフとの関わり方で注意されている点があれば教えてください


下 村:ボランティアスタッフには、提供会の朝から野菜などの詰め合わせや提供品の準備をお願いしています。提供会の受け渡し時間は、ボランティアスタッフではなく法人のスタッフのみ少人数で渡しています。

感染対策という理由もありますが、先ほど言った通り、周囲に分かってしまう事を心配される保護者の方もいます。ボランティアスタッフは近隣にお住いの方もいらっしゃるため、提供会利用者とは会わないように設定しています。

ボランティアスタッフのみなさんには、提供会の様子やエピソード(提供品のお菓子を大切に食べました、など保護者から聞いたお話)を密に報告するように気を付けています。


 

今村様:地域と連携できたらよいと思うところはどこにありますか


下 村:提供会の開催にあたってネックなのは、支援を必要とするご家庭の情報が分からないという点です。分かりやすい指標として児童扶養手当のご利用世帯を対象としていますが、それ以外でも生活困窮に陥ってしまった子育て家庭や、離婚手続き中でまだ児童扶養手当を取得していないご家庭などを柔軟に受け入れています。

そういった情報は民間ではなかなか知りえないことなので、地域の自治体や団体などで把握している方がいらっしゃれば情報の連携をしていきたいです。


 

今村様:今後の法人の抱負はどうでしょうか


下 村:食料品提供会は続けていきたいと考えています。

NPO法人らいぶながさきは、終末期医療や緩和ケアに関する勉強会、医療相談の事業を長く行ってきました。今日は長崎県の様々な地域の方が参加しているとお聞きしています。長崎県は、長崎市近郊は在宅医療が充実している地域です。しかし、県央地域、県北地域、離島は在宅医療の体制が小さく、小児在宅医療はさらに厳しい状況です。

ご病気になられたときに家で療養したい、最期を家で迎えたいと思ってもそれを支える医療資源がないのです。長崎県内で医療資源に大きな格差があるのが現状です。

私たちはみなさんが、望む場所で、より良く生き、より良い終末期を迎えるために活動しています。長崎市近郊だけでなく長崎県で捉えて活動していく必要を感じています。

県央・県北・離島地域の方でも相談がありましたらご連絡お待ちしています。



 

質疑応答

 

質問:地域カフェときの食事会は現在行っていますか。また今後再開していく予定はありますか。


解答:現在は行っていません。十分な広さを取って人が集まるほどのスペースがないことと、参加者が70~90歳代が多く新型コロナウイルス感染が危険な方が多いため中止しています。感染状況をみながら今後はまた考えていきたいと思っています。


 

質問:ひとり親家庭の転居支援はしていますか。


解答:転居の相談を受けたことは今までありませんが、相談があれば不動産の紹介などで、出来る限りで応援したいと考えています。


 

約1時間のセミナーとなり終了いたしました。

今回は、このような機会をいただき、NPO法人らいぶながさきの理念や活動が様々な地域の方に知っていただけたと感じています。

今後の事業活動につながることを期待しています。


開催内容のご質問は当法人まで。

配布版開催報告はこちら⇩



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