令和6年5月24日(金)地域カフェときにて、元気倶楽部を開催いたしました!
「何歳からでも、背筋がピーンとかっこいい自分になれる」をテーマに、理学療法士さんと身体のことやリハビリのことについて学んでいく講座です。
今月のテーマは「自分も家族も安心して暮らし続ける」です。
声で機械を操作できる便利なAIスピーカー(スマートスピーカー)を参加者に体験していただきました。
会場を部屋に見立て、声の操作だけで家電や設備を動かせるスマートルームを準備しました。
講師はケアランド時津 吉野さんです。
スマートスピーカーとは音声に反応したAI機能を持っています。利用者の音声を認識し、様々な機器の操作などを行います。話しかけるだけで、好みの映像や音楽を紹介し再生することなども自在です。
今回はAmazon Echo Show 5 を利用して体験講座を行いました。
液晶画面付きのスマートスピーカーでは、ドラマやニュースを見ることが可能です。
また、他のスマートスピーカーや携帯電話(アプリをインストールしている場合)と通話することも出来るため、テレビや携帯電話のような役割を担うことが出来ます。
「アレクサ 懐かしいドラマを見せて」
「アレクサ 90年代のJ-POPを流して」
など、参加者のみなさんに話しかけて操作してもらいました。
声の指示だけで便利に使えるスマートスピーカーは、その本体の便利さだけではなく家電や家の設備と連携し、さらに便利に使うことができます。
今回体験していただいたスマートルームでは、
・テレビ
・照明器具
・ロボット掃除機
・玄関鍵
・カーテン
をスマートスピーカーの指示で操作できるように準備しました。
テレビや照明器具のオン・オフ、掃除機を動かす、鍵の開け閉め、カーテンの開け閉めなどをすべて「アレクサ ○○して」と声で動かします。
こちらも参加者のみなさんに実際に動かして体験していただきました。
スマートスピーカー対応の家電などは販売されていますが、現在お使いの家電や家の設備に小さな機械(スイッチボット)を後付けするだけで、声で反応するように設営することが出来ます。
例えば、玄関鍵は現在お使いの鍵にスイッチボットをかぶせて設置することで、声だけで施錠開錠が出来る状態に変更することができます。
写真:ディンプルキーの玄関鍵にスイッチボット(黒の機械)を取り付けて作成しています
その他、ドアに取り付けることでドアの開閉を携帯電話で確認ができるようなツールや、スマートスピーカー設置に必要なもの、コストなどを学びました。
今回、「自分も家族も安心して暮らし続ける」というテーマで、AIスピーカー(スマートスピーカー)を体験していただいた理由は、見守りや介護の状況でも便利に使える可能性があるからです。
声だけで動かせるという点は、機械操作が難しい状況でも利用しやすくあります。
例えば、高齢で新しい機械の操作を覚えることが難しい方、ご病気などでボタンを押す動作が難しい方といった場合、家の中で転んでしまい家族に連絡したくても携帯電話まで動けない緊急の場合が考えられます。
家の中での転倒リスク対策にもなります。
夜間に部屋の電気をつけようとスイッチに手を伸ばした姿勢でバランスを崩して転倒、リモコンを取ろうとして無理な体勢になり転倒などは高齢者のよくあるリスクです。
照明やエアコンなどをスマートスピーカーで操作できるように設営してあれば、転倒のリスクを減らすことが出来る可能性があります。
訪問看護、訪問介護、訪問診療の場面でも利用できるかもしれません。
日中、ベッドで横になっている患者さんのもとに訪問に伺う際、鍵を開ける方がいない場合、事業所により鍵をお預かりする、玄関前のどこかに鍵を隠して置いておくなどの対策を取らざるを得ない方がいます。
声の操作で鍵の施錠開錠が出来れば、防犯の理由以上にも助かる場面が想定できます。
今回の参加者のみなさんは、これから自身の介護準備を想定して勉強されている方が参加しています。スマートスピーカーがどのように使えるか、考えてもらう機会となりました。
最後に、握力・椅子起立・片足立ちテストを行い、参加者のみなさんの体力・筋力を測定して講座は終了となりました。
今月はTUG歩行テストを追加して測定しました。
TUGテストの正式名称は、Timed Up & Go Testです。
「肘掛のついた椅子にゆったりと腰かけた状態から立ち上がり、3mを心地よい早さで歩き、折り返してから再び深く着座するまでの様子を観察するもの」が原法です。
この機能テストを所要時間で評価したものがTimed Up & Go Testなのです。
TUGテストは、運動器不安定症の指標となっている歩行能力評価であり、つまり病気の診断基準としても用いられる標準的な検査なのです。
高齢者の生活機能、歩行能力を正しく評価する上で、TUGテストは信頼性が高く、下肢筋力、バランス,歩行能力、易転倒性といった日常生活機能との関連性が高いことが証明されており、高齢者の身体機能評価として広く用いられています。
(日本運動器科学会より)
測定した結果は、ご自身の年代の平均や前回の計測値と比べ、今の自分の体力・筋力はどの程度なのかを考えていただくために活用しています。年代の平均は、厚生労働省 介護予防マニュアル第4版 別添資料2-4 年齢別体力基準値表を参考にしています。
次回は9月ごろ開催の予定です。
ぜひご参加ください!
お問い合わせ
NPO法人らいぶながさき
📞095-801-6670